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商標登録の区分とは?3分でわかる選び方

商標登録の区分とは、商標をどの商品やサービスに使うかを決める分類のことです。この記事を読めば、区分の意味だけでなく、あなたの事業でどの類を優先すべきか、費用を踏まえてどう選ぶべきかまで3分でつかめます。実務では「何類か」だけでなく、願書の指定商品・指定役務の書き方で権利範囲が大きく変わります。そこで本記事では、区分一覧の暗記ではなく、売り方と出願の考え方に絞って整理します。

区分とは何かを3分理解

ここでは、商標の区分とは何かを最短で理解できるように整理します。

商標は指定商品・役務で決まる

結論から言えば、商標権は名前そのものではなく、どの商品やサービスに使うかとの組み合わせで決まります。理由は、同じ名称でも業種が違えば共存できる場合があるからです。たとえば、同じ言葉でも化粧品と飲食店では、需要者が受ける印象や取引の場面が異なります。つまり、商標は「商標+指定商品」「商標+指定役務」で見るのが基本です。

区分は45類で商品とサービスに分かれる

ポイントは、区分が全部で45類あり、1類から34類が商品、35類から45類がサービスだという点です。これはニース分類に基づく国際的な整理です。たとえば、化粧品は3類、広告や小売に関する役務は35類、飲食物の提供は43類に入ります。まずは自社が売っているのが商品か、提供しているのがサービスかを分けると迷いにくくなります。

区分と類似群コードの違い

重要なのは、区分と類似群コードは同じではないことです。区分はあくまで大きな棚分けで、実際の類似判断は類似商品役務審査基準や類似群コードも見て行われます。たとえば、別の類でも似ていると判断されることがあり、同じ類でも非類似になることがあります。区分だけ見て安心せず、権利範囲は中身で決まると押さえるのが実務的です。

売り方別の区分の決め方

売り方別の区分の決め方の背景イメージ

ここでは、業種ではなく売り方から区分を決める考え方を説明します。

製造・OEMなら商品区分を確認

答えは、まず自社が作る物そのものの区分を押さえることです。製造業やOEMでは、ブランド名が実際に付くのは商品本体だからです。たとえば、サプリなら5類、化粧品なら3類、バッグなら18類が候補になります。製造委託でも、最終的に自社ブランドで販売するなら商品区分の確認が出発点だと言えます。

EC・小売は35類も要検討

結論として、物販をしているだけでも35類が必要になる場面があります。理由は、商品そのものの区分と、店舗やECで他人の商品を選んで販売する小売等役務は別だからです。自社の化粧品を売るなら3類が中心ですが、オンラインショップとして幅広い商品を扱うなら35類の検討余地があります。販売チャネルまで含めて考えるのが失敗しないコツです。

アプリ・講座・SaaSの役務区分

鍵を握るのは、提供方法でサービスの類が変わる点です。アプリの提供は9類の商品だけでなく、内容次第で42類や41類も関わります。講座なら41類、クラウド型のSaaS提供なら42類が典型です。たとえば、学習アプリを配信し、あわせてオンライン講座を売るなら、単一の区分では足りないことがあります。デジタル事業ほど、何をどう提供するかを分解して考えるべきです。

費用で決める優先順位

費用で決める優先順位の背景イメージ

ここでは、区分を増やすか絞るかを費用対効果で判断する方法を見ていきます。

出願は複数区分ほど費用増

結論はシンプルで、複数区分で出願するほど費用は増えます。願書では1区分ごとに出願時や登録時のコストが積み上がるためです。たとえば、1区分で足りる案件と、3区分をまとめて取る案件では、初期費用の差が無視できません。だからこそ、取れそうな類を全部入れるのではなく、今の売上に直結する区分から優先する考え方が有効です。

今使う区分と1年以内を分ける

最も大切なのは、今使っている区分と1年以内に使う区分を分けることです。理由は、近い将来に使う予定があるなら、先に押さえる価値が高いからです。たとえば、今年は店舗販売だけでも、半年後にEC開始が決まっているなら、その販売形態も含めて検討しやすくなります。予算申請でも「現行事業」と「確定した拡張計画」を分けると説明しやすくなります。

将来構想は追加出願で考える

押さえておきたいのは、3年後の構想まで最初の出願に詰め込まないことです。商標は後から追加出願ができますし、ニース分類の改訂で表現や扱いが変わることもあります。たとえば、将来サロン展開やライセンス事業を考えていても、まだ具体化していないなら別管理で十分です。まずは確度の高い範囲を取り、拡大時に追加するほうが無駄が出にくいです。

区分より重要な願書の書き方

ここでは、区分選び以上に差がつく指定商品・指定役務の書き方を解説します。

指定商品・指定役務が本体

結論から言えば、区分は入口で、本体は願書に書く指定商品と指定役務です。同じ35類でも、何を書くかで守れる範囲は変わります。たとえば「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とだけ考えるより、扱う商品分野まで意識したほうが実務では明確です。区分名だけで判断せず、記載内容まで詰めることが重要です。

広すぎる書き方と狭すぎる書き方

重要なのは、広すぎても狭すぎても使いにくいことです。広すぎる表現は補正や拒絶理由の対象になりやすく、狭すぎる表現は事業拡張に対応できません。たとえば「知識の教授」だけでは実態とずれることがあり、「美容に関するセミナーの企画・運営」のように具体化したほうが伝わります。実際の提供内容に沿った、少し広めの表現を狙うのが現実的です。

J-PlatPatで表現例を探す

答えは、J-PlatPatで過去の出願や登録例を確認することです。加えて、類似商品役務審査基準を見ると、採用されやすい表現の感覚がつかめます。たとえば、自社と近いビジネスの登録例を見れば、どの類でどんな指定役務を書いているかが分かります。ゼロから悩むより、通っている表現を土台に調整したほうが精度も速度も上がります。

間違えやすい区分の実例

ここでは、実務で誤解されやすい区分の典型例を押さえます。

名刺・印刷物は何類か

結論として、名刺やパンフレットのような印刷物は、内容ではなく物としての性質で見る場面が多いです。一般に印刷物は16類が候補になります。ただし、デザイン制作や印刷の受託はサービスなので別の役務区分が関わります。名刺を売るのか、名刺を作るサービスなのかで類が変わるため、成果物と提供行為を分けて考える必要があります。

小売・店舗提供の落とし穴

ポイントは、店名を守りたいのに商品区分だけで終えるケースが多いことです。たとえば、飲食店が物販を始める、化粧品ブランドが実店舗やECを強化する場合、商品だけでなく店舗提供や小売の役務も論点になります。ブランドが接触する場面は、商品ラベルだけではありません。看板、サイト、販売画面まで含めて、どこで商標を使うかを洗い出すべきです。

ニース分類改訂にも注意

最も見落とされやすいのは、ニース分類が改訂される点です。年度によって商品やサービスの説明が微調整され、以前の感覚がそのまま通らないことがあります。たとえば、デジタル商材や新しい提供形態は扱いが変わりやすい分野です。過去の資料だけで判断せず、出願時点の最新版を確認することが、遠回りに見えて一番安全です。

まとめ

商標の区分とは、名前をどの商品やサービスで守るかを定める地図のようなものです。ただ、実務では何類かを当てることより、あなたの売り方に合った区分を優先し、願書に指定商品・指定役務をどう書くかのほうが結果を左右します。今使う範囲と1年以内の展開を先に固めれば、費用を抑えながら必要な権利範囲を取りやすくなります。出願前に「商品そのもの」「提供方法」「販売チャネル」「今後の展開」を4つに分けて整理し、J-PlatPatで近い事例を確認してから進めてください。